『日本のヤバい女の子』は全員読もう

昔々、マジで信じられないことがあったんだけど聞いてくれる?

2018年春に柏書房より出版された『日本のヤバい女の子』(著者:はらだ有彩)。

いつも、本を読む速度が早いのを自覚している私だが、章ごとにエモくなりすぎて、うろたえている。

心の揺らぎ、感情の沸き立ち、記憶のよみがえり、追い付かない言語化にふらふらになりながら、かみしめながら読んでいる。

序章からヤバい(素晴らしい)。

蠍座木星期に、太陽蠍座を5室* に持つ彼女がこの本を紙媒体で生み出してくれたことに序章を読んだだけで感激して泣いてしまった。

蠍座は「破壊と再生」と「深く重い愛」「純然たる闇」「まがいもののない激情」を持った星。それが、怒涛のように紙面から溢れている。以前、他のコラム記事で「怒るのも才能がいる」と書いたことがあるが、この類まれなる「怒る才能」を持っているのがはらだ有彩さん(はりーちゃん)だ。

この本では昔話、民話、神話の中の女の子たちが主軸となって様々な彼女の視点であらためて洗い出されていく。理不尽、怒り、苦しみ、愛、等身大でいること、身勝手な好意に NOと言うこと、失望、生きる事、私たちはどこへでも行けること。

足を満員電車で踏まれた時のその痛みは反射的に分かるのに、どうして理不尽な痛みには気が付けないことがあるんだろう。どうして、血をだらだらと流していたのに、あの時の私は笑っていたのだろう。どうして、自分の人生を他人に譲ってしまったのにあの時の私はそれをよしとしてしまったのだろう。

過去の痛くて立ちすくんで泣いている私に、「泣かしたのはどこのどいつじゃあああああ!しばきたおす!」と時空をこえて角材をもったはりーちゃんが駆けつけてくれたような気がしたし、鬼人のお松の章を読んだ時には、「受動」の牢獄につかまって、ストレスで倒れ救急車にのった過去が蘇ってきて、ああ、あれは私の第一幕だったのだ、今は面白おかしく幸せに第二幕にいるけれど、お松は私だ、と思って泣いた。

他の章の女の子たちも、あ、これはあの人だ、こっちはあの時の彼女だ、と知り合いの面影が浮かんでは泣いている。

女であることが不利でなく喜びであるように、痛いものは痛いのだと言える健やかさが、強さがあるように、この本を全ての女の子たちに読んで欲しい。

足を踏んでふんぞり返る人間がいなくなるように、私もかっこよく怒れるようになりたくなってきた。

ここから試し読みもできるよ

* ホロスコープ「5室」に太陽があるのは、「外の世界にクリエイティブな自分を打ち出していく」と読むのですが、まさにその姿ですし、蠍座の持っているセクシャルと愛と破壊と再生を様々な作品や書籍として形にできることの尊さに感激が止まらない。

[ 『日本のヤバい女の子』は全員読もう ]レビュー, , , 2018/08/22 20:38